EUの証券規制当局委員会が日本の会計基準について調査を行い、国際会計
基準(以下、IAS又はIFRS:国際財務報告基準)との違いがある項目につき、開示
等が必要な項目を示しました。これは、日本の会計基準とIFRSとの違いを概観す
るのに有益です。以下では、その中で主要な項目をとりあげます。
●開示レベルA:日本の開示情報に追加して補完説明等が必要とされる項目
・工事契約:IFRSでは工事進行基準の適用、日本基準では工事完成基準との
選択適用。
・資産除却に伴う廃棄、復旧等の費用の債務計上:資産除却時に発生すると予
想される解体、撤去費用等に関する債務が日本基準では計上されない。
・従業員給付:日本基準では給付債務の割引時に使用する割引率として一定期
間の平均利子率を使用することがあり、必ずしも貸借対照表日の利子率でな
い点での差異がある。
・デリバティブの公正価値:IFRSではすべての金融商品の公正価値情報を開示
するが、日本基準では有価証券とデリバティブに関してのみである。
・減損損失の戻入処理:日本基準では戻入処理は禁じられているが、IFRSでは
一定の場合に戻入処理が要求される。
・投資不動産:IFRSでは原価モデルを採用した場合でも投資不動産の公正価
値の開示が求められるが、日本基準では求められていない。
●開示レベルB:IFRSによって会計処理した場合の影響額等の開示が必要な項目
・棚卸資産の後入先出法及び原価法の採用:IFRSでは後入先出法の採用は認
められず、低価法が強制適用される。
・固定資産の減損テスト:日本基準では減損判定時に、割引前の将来キャッシ
ュフロ−を使用するが、IFRSでは割引後の将来キャッシュフロ−を使用する。
・開発費用の資産化:IFRSでは、一定の場合に資産化が強制されるが、日本基
準では資産化は認められない。
●補完計算書が必要とされるのは、持分プ−リング法を採用している会社やIFRS
を採用していない連結子会社が含まれている会社等。
●将来の検討課題として、金融商品の認識と測定に関する会計基準をあげてい
ます。
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